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ANRI(アンリ)|歌手Monetが完全飼育で里親を探すー動物虐待も課題に

マハトマ・ガンジーが発言した(と言われている)言葉の一つに、このような格言がある。

国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る。

今回取材を行った一般社団法人ANRI(アンリ)は、殺処分ゼロに向けて行き場を失った犬や猫を保護し里親募集を行う他、さらに問題を深く掘り下げ「動物愛護後進国」を課題として活動を行っている。

欧米では「LINK(リンク)」という言葉があり、対人暴力と動物虐待が連動して発生しているという考え方をそのように呼ぶ。

動物の虐待は犯罪であり罰金懲役刑の対象にもなるが、虐待・ネグレクトは発見した人からの通報がない限り、その動物が助からないといった悲しき事態も多く発生している。

主に欧米において実施された研究がほとんどではあるが、例えば、子ども虐待、高齢者虐待やドメスティック・バイオレンス(DV)などの家庭内暴力が発生している家庭において、ペットも虐待されている確率が高いことが示されている。また、必ずしも動物虐待がエスカレートして凶悪犯罪に至るという時系列的な関係性を示す調査ばかりではないが、動物虐待が犯罪と連動していることを示す研究も数多く存在する。さらには、動物を積極的に虐待している加害者でなくても、動物虐待を目撃したり、動物への暴力にさらされるだけで、心理的負担になることはもちろん、暴力を容認してしまう価値観を醸成し、暴力を学習する機会となってしまうことを示す研究も公表されている。

(中略)

動物虐待を、「動物がかわいそう!」という視点だけにとどまらず、さらに一歩踏み出して、その他の暴力などと連動する反社会的行動の「一症状」として捉えることにより、動物に対する残酷な仕打ちのみならず、弱い立場にある人間に対する暴力の予防や早期発見にもつながる可能性があるのである。最近、人間と動物双方の専門家の間で、人間と動物の福祉は表裏一体であるということを意味する「One Welfare」や、人間の社会福祉上の課題に動物問題が見え隠れしており、それに対応する領域をあらわす「Veterinary Social Work」などの概念が注目されつつあるが、今まさにこれらの視点が求められているのではないだろうか。動物に対して暴力が振るわれているところでは、人間にその暴力が及ぶ危険性が高く、また逆も然りなのである。

一般社団法人アニマル・リテラシー総研(ALRI)より

この考えに基づきANRIでは、凶悪な犯罪を減らすためには動物虐待を動物だけの問題と捉えていない。動物虐待は、いづれ殺人事件に繋がるものと捉えて動物虐待の時点で厳重に取り締まる日本を目指したいという。

―――何事も元から絶たないと解決にならない。

動物虐待を取り締まる事が将来の犯罪減少に繋がる。そのためには子供の頃から命の尊厳を知ってもらう情育が欠かせないと考え、子供たちの心を豊かにしたいと考えている。

動物に優しくできる心があれば「自分がされて嫌なことや痛いことを人以外にもしてはいけない」そんな大人になれると信じて。

一度見放された命を救う「現在」と、日本の動物愛護水準地を上げる「未来」を変える活動。二方向から殺処分ゼロを目指す、現役歌手のMonet氏が立ち上げた一般社団法人ANRI(アンリ)について詳しく紹介していきたい。

一般社団法人ANRIとは?

  • A=Animals(動物全ての生物が対象)
  • N=Nice(心地よく心から幸せに満ちた笑顔の絶えない環境)
  • R=Rehoming(新しい家族・安心の出来る場所)
  • I=International(世界中の生物が共生できることを願う)

全ての動物たちが心から幸せに、笑顔の絶えない環境で、新しい家族と出会う。その活動は日本に止まらず、世界中の生物が共存すること願って「ANRI(アンリ)」。これがANRIの由来である。

ANRIで愛情を受けた犬たちのBefore・After

三匹の犬のBefore・Afterを見て頂きたい。

この三匹は山で捨てられていたり、倉庫の中で1年間放置、元繁殖犬と背景はそれぞれ違うがANRIで愛情を受けてこんなにも変わった。

本当はこんなにも愛らしい姿をしていたのだ

悲しい過去を持っていても、人間に裏切られても、本当に愛してくれる人には心を開く。それが犬という健気な生き物だ。

ANRIで傷ついた心を癒し、愛情をたっぷり受けることで愛される犬へと生まれ変わる。その結果、第二の犬生を色鮮やかにしてくれる里親との出会いを引き寄せるのだ。

飼育現場は家の中。完全飼育で家庭犬を目指す

ANRIでは様々な状況の犬や猫たちをレスキューしている。

  • 保健所からの引き取り
  • ボランティア仲間同士の引き取りや預かり
  • 飼えなくなった飼い主さんからの相談引き取り
  • テレビやラジオで連絡を知った方からの相談から
  • ボランティア同士の助け合い
  • 寄付金提供、物資提供、譲渡会場所の提供等
  • 全く行き場のない子の終身お見送りボランティア(老犬・障害犬など)

劣悪な環境で繁殖を繰り返していた子や、虐待を受けて人間不信になった子など、心の傷は一匹一匹違う。

その子たちに寄り添い、心のケアをし、もう一度笑顔で新しい家族を探せるように飼育現場は家の中で行っているという。

ほぼ完全飼育のため、スタッフもボランティアではなく雇用。実行委員会代表のMonet(モネ)氏を含め3人が常駐し、自然とお家で過ごせる子になるように接している。

家の中で社会性(犬同士の接し方)を学んだり、ルールを覚えるように1日1日を大切に過ごしている。寝る時はMonet氏と一緒に寝て、起きるまで共にするという。

頭数は11~12匹がMAX。大型犬ばかりなら5匹を上限に。

1匹1匹に十分なケアを行う必要があるため、頭数に上限を決めてレスキューを行っている。2020年12月現在の保護頭数は7匹だ。個性を大切に犬や猫たちに向き合いながら日々の生活を送る。

Monet氏曰く、心が通えばしつけなど何か教えなくともコミュニケーションが取れるという。そのために、行うことはできる限り会話をするだけだ。

とにかく優しい子に育てたいと思っています。

とMonet氏はいう。

保護犬は悲しい過去を背負っている場合が多く、この点が子犬から飼うよりもハードルを上げる理由の一つになることもあるが、背負っていた悲しみを超えたからこそ誰かに優しくできる子に成長することが多いと経験を語ってくれた。

犬にも人間にも優しく接する子になるように。ANRIでたっぷり愛情を受けることで他に与えることのできる子に育つのだろう。

里親募集と譲渡条件について

里親募集については「ペットのおうち」などでも募集はしているが、主な譲渡先は知り合いを通した紹介や、ANRIで里親になった方からの口コミ紹介が中心という。

出典:Monet~モネ~プロフィールより

また、Monet氏の本職は歌手。

テレビやラジオに出演しており、その際に保護活動について案内することも多く、視聴者からの連絡で里親が決まることもある。募集方法は様々だが、共通して「身近なところで里親を見つける」ことに重きをおいている。

その理由はANRIで育てた犬や猫たちを「絶対に」幸せにしてあげたい気持ちの表れから。

不幸な命を増やさないためにーANRIからのお願い

ANRIでの譲渡条件は下記の通り。

  • 不妊去勢手術を行う
  • 狂犬病予防やワクチン等健康管理を行う
  • 家族として責任と愛情をもって育てること
  • 犬は室内で育てること(玄関は室内に含まない)
  • 猫は病気や事故から守るため完全室内飼いを守れる方
  • 同居している家族全員の許可を得られていること
  • ペット可のお住まいであること
  • 子供がいる場合、子犬・小型犬はお子様の年齢が15歳以上/猫と中型犬・大型犬は13歳以上
  • お留守番の少ない家庭(4時間以内)を希望している
  • 一人暮らし・同棲中のカップルからのお申し込みは受けられない
  • ご高齢の方には譲渡できない可能性あり
  • 未成年の場合は保護者からの申し込みが必須
  • 生活保護を受けている場合は要相談

譲渡は申し入れの順番ではなく、里親の適正と条件を十分に考慮した上で譲渡先を決める。

トライアルに犬や猫を引き渡す際、飼育環境の確認のために自宅に上がる必要がある。また、交通費として実費の負担(2,000円〜で距離と高速代により異なる)をお願いしている。

トライアルは必須。家族全員の許可が必要

ANRIでは、譲渡前にトライアルが必須でその期間は2週間である。まずは一度ANRIに足を運んでもらいヒアリング。問題がなければ自宅までANRIスタッフが運ぶ手順だ。

家族が1人でも納得しない時は譲渡不可となり、全員が納得できるかの確認を含めたトライアル期間になるため、預かってから家族との相性をしっかりと見極めてほしい。

また、トライアル期間中も電話やLINE等で定期的に連絡を行い、保護犬や猫の様子を伝えることも忘れてはいけない。

正式譲渡の際の負担金

  • ワクチン接種代(約6,000~8,000円)
  • オス犬:去勢手術代(約15,000~25,000円)
  • メス犬:不妊手術代(約25,000~30,000円)
  • オス猫:去勢手術代(約10,000~20,000円)
  • メス猫:不妊手術代(約15,000~25,000円)
  • 猫:血液検査代(約4,000円)

その他、犬はフィラリアの検査、猫は猫FIV/FeLVのウイルス検査なども必須。団体では実費になるため、金額はあくまでも一例。個体によって金額に差が出るため、おおよその目安として参考にしたい

先住犬や猫がいる場合、病気や高齢など特別な事情がない限り、避妊・去勢が条件となる。

条件は家族によって異なる。気になる子がいたら直接お問い合わせを

原則上記通りではあるが、ANRIが一番に考えているのは保護した犬や猫たちが幸せになること。そのため、条件は家族によって異なる。

要相談ではあるが、高齢者の場合であっても信頼と将来への約束ごとによっては命を委ねる選択を行うことも。気になる子がいたら、まずは一度連絡をしてみよう。

ANRI(アンリ)の考える動物愛護とは

出典:一般社団法人ANRI公式HPより

(Monet氏)とにかく動物たちがおかれている劣悪な現場、人間の身勝手で虐待されている子がいる等現実を知らない人が多すぎます。

動物は物ではなく命である事をもっと尊厳できる環境作りがしたいです。もしその動物の立場を自分に置き換えたらどんな気持ちになるのか? みんなが一緒に考えられるような国になって欲しいです。

これ以上不幸な子達を増やさないように捨てられる蛇口を閉める事、今後の日本に必要なアニマルポリスの設置の必要性などをお話しています。

※動物虐待や飼育放棄を取り締まる法的な機関のこと

このように語るMonet氏は、動物たちがおかれている劣悪な現場や、人間の身勝手で虐待されている犬や猫たちがいる現実を知らない人が多いことに胸を痛めている。

動物は物ではなく命である事をもっと尊厳できる環境作りがしたいです。

もしその動物の立場に自分を置き換えてみたらどのような気持ちになるのか?みんなが一丸となって考えられるような国を目指していくことがANRIの目指す「動物愛護」である。

動物虐待は犯罪!悲しき事態を減らしたい!!

令和2年6月1日、環境省が「動物愛護管理法の一部を改正する法律」を施行した。(一部未施行)

動物虐待罪に対する罰則の引き上げ

  • 殺傷:懲役5年、罰金500万円 ← 懲役2年、罰金200万円
  • 虐待・遺棄:懲役1年、罰金100万円 ←罰金100万円

冒頭でも触れたが、動物の虐待は犯罪であり罰金懲役刑の対象にもなる。

しかし、この動物の虐待やネグレクトは発見者の通報がない限り助からないことも多い。言葉を持たない動物たちが、自ら動くこともできず、虐待されて死んでいく。

我々が気づかないところで傷つき、痛みに苦しみながら死ぬ子たちがいることを知って欲しい。

―――ANRIは、この動物虐待を「動物たちの被害」だけと考えていない。動物を守ることで、人間社会においての犯罪防止・犯罪減少に繋がると考えているからだ。

そのためには小さな頃から命の大切さを知ってもらう必要がある。

子供のうちから「動物を大切にする」ことを伝えていけば、「動物を大切にする考えが当たり前」になる。ANRIは心を育てる情育こそが動物虐待の可能性を減らし殺処分が減ると信じている。

子供向けに歌や絵本を作り教える機会を設ける。地道ではあるが、この努力こそが未来の日本を救う一歩かも知れない。

現在制作中の絵本。来年リリース予定の新曲とセットで販売予定。朗読CDを付けて幼稚園に寄贈の予定もある。

活動はMonet氏が歌手になった理由にまで遡る

2015年「雲の上の青い空(ビクターエンターテインメント)」で歌手メジャーデビューを果たしたMonet氏は、長年見続けていた命の現場がきっかけで歌手になる。

保健所や繁殖所からのレスキューから、新しい家族を探す活動を繰り返している中で、止められないレスキューに「捨てられる命」の蛇口を閉めなければならないと考えるようになったという。

それには「啓蒙(けいもう)が必要」と思い、歌を通じて命の現場を伝えていくことを決意した―――。

ANRIの主な活動内容

  • 里親募集
  • チャリティーイベント設営
  • 署名運動
  • 子供に命の大切さを考えてもらう
  • テレビやラジオに出演

歌手になることでMonet氏自身が広告塔になった。テレビやラジオに出演し、番組で殺処分で亡くなる動物たちの「命の現場」ついて語っている。

チャリティーイベントでは話だけでなく実際の動画を交えて動物たちの代弁を務める。イベントは1度に100名程度にすることで、来場者との距離感も大切にしていく。

近い距離感で話をすることで、活動への理解者が増え里親を見つけるひとつの手助けになっていると言えよう。

Monet氏出演情報

  • モネのありがとうの花束(FMさくら)
  • ワギングテイル(サンテレビ・レギュラー番組)
  • モネの流れ星への願い(ラジオ関西)
  • その他 歌の旅人(レギュラー) 演歌ジャックス(レギュラー)

動物愛護活動のために歌手活動を行うだけあり、積極的に保護犬や保護猫についての話題を世の中に発信している。

ラジオ関西で放送中「モネの流れ星への願い」ではMonet氏がメインパーソナリティーを務め、すべての動物たちが幸せに暮らすために命の大切さを伝えている。

関西圏でのみの放送だが、スマホアプリの「radiko(無料)」を導入するとどこでも聴けるので興味を持った方は是非一度聴いてみてほしい。

ANRIの活動に賛同したら。一時預かりボランティアを行ってみませんか?

ANRIの活動に賛同した方は、是非支援を検討して欲しい。完全飼育で犬や猫たちの面倒を見続けるには、餌代や病院代など何かと費用はかさむもの。

寄付金の他に、行動で貢献したい場合は「フォースターファミリー(一時預かりボランティア)」も募集中だ。

フォースターファミリーの条件

  • 期間:約2ヶ月~6ヶ月(期限以降も保護が必要な場合には確認の上延長有)
  • 費用:基本費用(トイレ用品などの消耗品)はファミリーでの負担。すべての医療費はANRIで負担。 
  • 飼育環境の条件:犬・猫は完全室内飼い

※レスキューされた動物のストレス軽減が出来るよう、それぞれに適した飼育環境や飼育方法での一時預かりをお願いしています。

また、寄付金は非常にシンプルだが一番利用の幅が広いのも確か。

5,000円あれば犬猫一匹分の基本的な健康診断、血液検査ができる。15,000円で犬猫一匹分の不妊手術ができる。傷ついたこの子たちのケアと良い里親探しのためにも寄付金も検討してみて欲しい。

Monet氏より一言

ペットを家族に迎えたい方、ペットショップに行く前に保健所や愛護団体、または里親募集サイトで家族を待つ子供達に手を差し伸べてあげていただけませんか?あなたの心が動いた瞬間に繋がる命があります!

ペットショップで待つ子犬以外でも、きっと素敵な出会いがあると思いますよ。

私は言葉を持たない子供たち(動物たち)の代弁者だと思っていますので、子供たちからの言葉と思って聞いてもらえたら幸いです。


今回、現役歌手のMonet氏が実行委員会代表を務める「一般社団法人ANRI」を取材させて頂いた。

今と未来それぞれに目を向け活動をしているANRIは、殺処分ゼロに向けてこれからも命の大切さを伝えていく。動物の命の重さを考えられて当たり前の国になるように―――。

里親活動よりも一歩先の「動物愛護水準の低さ」に目を向け走り続けるANRIをこれからも応援していきたい。

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