あなたは、ブリーダーが育てた子犬ならどこから迎え入れても同じと思ってはいないだろうか。ブリーダーサイトで口コミが良ければ”健康な子犬”で安心―――。
何を基準にそう思うのか。
あなたが知らずにブリーダーを選ぶ行為が悪質ブリーダーを手助けし、殺処分ゼロの未来を遠ざけている可能性に繋がることも知ってほしい。
『自分が可愛いと思った犬を飼えれさえすればいい。』中にはそう思う人もいるだろう。もしそれが『あなたが引き取る子犬に関わりがあること』だとしても、果たしてそう思えるだろうか。
ビジネス目的と愛犬家が高じて繁殖をさせた子犬では大きく差が出る。
悪質ブリーダーと優良ブリーダーが育てた子犬では、同じ週数の子を並べてみると明らかに素人目でも違いが分かるという。
骨格・毛吹き・骨量・持った時にずっしりくる重さ…全てにおいて子犬に差が出る理由には、母犬の精神状態や健康状態から作りだされる栄養価の高い母乳が欠かせない。
母犬を大切にしない悪質ブリーダーから子犬をもらう行為は、悪質ブリーダーの手助けをするだけでなく結果的にあなた自身にも悪影響なのだ。
いつまでも笑い合える素敵なパートナーを迎えるには―――。
今回、ブリーダー選びが非常に重要といえる理由を現役ブリーダー荒木麻子さんからお聞きした。業界人だからこそ知る悪質・優良ブリーダーの違いや、子犬選びのポイントも紹介していく。

悪質・優良ー2種類のブリーダーの目指す先の違い

本来ブリーダーは愛犬家が(繁殖させたい)犬種に惚れこみ、好きだからこそ”最高の犬”を作り上げたい気持ちを基に出来た職種である。それなのに、ブリーダーに『悪質』『優良』といった表現が使われる。
犬をビジネスとしか見ていない『繁殖屋タイプ』と本来の目的を追い求める『愛犬家タイプ』の2種類が存在し、いわずもがな悪質は前者。優良は後者である。
ここではこの2種類のブリーダーが目指す先の違いを紹介したいと思う。この違いが、子犬にも大きく関わっていることを伝えていきたい。
愛犬家タイプ・優良ブリーダーの目指す先
ブリーダーの環境は様々だ。元々別に収入源を確保しながらブリーディングを行う場合や、ショップやサロンなど犬関係の経営をしながらなど。人それぞれ異なる。
しかし、どんなに異なる環境でも共通している点がある。それは、
犬を第一に考える
という点だ。
繁殖させたい犬種を愛しているが故、その犬種について話し出したら止まらない方々も多いという。
こだわりやプライドが高く、子犬を分けてもらいたくても簡単に譲らない場合もある。それは優良ブリーダーの目指す先が『犬達の幸せ』だからである。
本来ブリーダーは、子犬が産まれたら寝ずに面倒をみたり、離乳食や食事や運動にも気を使ったりと目に見えないところでの努力も大きい。だからこそ愛着も湧く。
そんな愛する子犬を幸せにしてくれる人を探すのが―――優良ブリーダーの目的だ。
繁殖屋タイプ・悪質ブリーダーの目指す先
一方、悪質ブリーダーはビジネスとして繁殖させるため『流行を追う』特徴がある。
常に流行の犬ばかりを育て、犬への愛情もないため犬種にこだわりもない。勉強不足も多く、遺伝等の疾患なども調べずにただひたすら産ませ続けるという。
経費(家賃・熱費・フード代・消耗品代・病院代・サプリメント・シャンプーなど)は最小限に抑え、母犬に手をかけていないことも多い。
悪質ブリーダーの目指す先は『金儲け』であり、犬の幸せは関係ない。そのため、どんな家庭環境(困窮していて本来犬を飼えないような家庭など)でも犬を販売する。
ペットショップの仕入れ先はこの繁殖屋タイプが数を占めている。
※優良ブリーダーもペットショップへ子犬を販売している。そのため『ペットショップに販売=悪質』とは言えないが、繁殖屋タイプが多いという。
ここまで差が出る!母犬の大切さ

愛犬家タイプ・優良ブリーダーの子犬
愛犬家タイプのブリーダーは、産まれてきた子犬と母犬の両方を大切にする。
産後は人間と同様に犬だって体力を消耗するし、本能的に子犬を守ろうと神経質にもなる。
そんな母犬が産後穏やかに過ごせるように過干渉しないように気を付けたり、母乳で失われがちな栄養を補充するために高いカロリー摂取を心がけたりと気にかける点は多い。
こうしたブリーダー側の配慮のおかげで、母犬の健康面と精神状態が安定し栄養価の高い母乳へと変わる。キチンと体を休ませ体力を回復させることで母乳の出方も変わるという。
次に子犬。心身共に健康な子犬を育てるには食事以外には運動も欠かせない。
産まれたばかりの子犬を扱うブリーダーは寝る間を惜しんででも、子犬と母犬のケアにまわる。その結果、子犬は健やかに育つのだ。
愛犬家タイプのブリーダーは交配を考えた上で行うから、子犬のバラつきも少ない。
繁殖屋タイプ・悪質ブリーダーの子犬
繁殖屋タイプのブリーダーは、母犬に手をかけない。産後ケアや必要な栄養なども配慮しないため、身体の回復も遅く母乳の出が悪くなる。
その結果、子犬が満足に母乳を飲むことが出来ず貧弱になる。
子犬を母犬から離す時期は正確に決まっていないためブリーダーによって異なるが、繁殖屋タイプは子犬を『小さな犬』にする目的で早い段階で母犬から離す。
十分な栄養を与えられない子犬は栄養失調となり成長が止まるが、あえて成長を止めさせている場合も多い。
母犬・子犬共に十分な運動をさせてもらえないどころか、狭いゲージや不衛生な環境で育っている場合も少なくない。
狭いゲージで育つと骨が変形したり、目に見えない部分での病気に繋がる場合もある。そして、十分に体を動かせないストレスは精神面にも影響を及ぼす。
本来、スキンシップが必要な時期に母犬や兄弟から離され狭いゲージに閉じ込められた子犬は、不安や恐怖からさまざまな心の病になりやすくなる。
心の病気がもたらす家族への被害

子犬の時の過ごし方(生い立ち・育てられ方)は心の病として姿を現す。
性格による違いもあるため、ブリーダーの育て方が全ての原因とは言えないが、小さな頃から愛情を受けていない子犬や保護犬は心の病になりやすいと言われている。
子犬の頃に十分に愛情を注いでもらわないとどうなるか。
初めて愛情を注いでもらったことで人に執着してしまう犬になる。
『分離不安症』などが良い例だ。
分離不安症とは、飼い主が見えなくなると強いパニックを引きおこす心の病。留守番中に吠え続けたり、糞尿をまき散らしたり、家具を破壊させたりしてしまう。
心の病はケアに時間がかかるため、家族一丸となって向き合っていく必要がある。
ブリーダーが教える!悪質・良質ブリーダーの見極め方

犬に詳しい方ならドッグショーに出向いたり自分の足でブリーダーを探すこともあるだろう。しかし、一般的なのはネット情報からのブリーダー探しになる。
そこで今回は
- ネット情報からブリーダーをふるい分け
- ブリーダーと会う約束を取り付けるまでのやり取り
- 実際にブリーダーと会った際に見極めるポイント
の3ステップで解説していく。
サイトで見るべき3つのポイント
1.犬種の取り扱い数が多くないか
優良ブリーダーが犬種を多く取り扱うことも0ではないが、何犬種も取り扱うブリーダーは売れ筋を意識して繁殖している場合が多いという。
せめて2犬種まで。
たくさんの犬種の取り扱いが多いブリーダーを除外するだけで、優良ブリーダーにグッと近づく。
2.子犬の写真を並べて眺める
ブリーダーを探せる販売サイトでは、現在販売中の子犬の写真を見ることが出来る。この子犬たちを1匹1匹見るのではなく、並べて見ることで欠点を探しやすくなる。

- 極端に痩せすぎたり小さすぎてはいないか
- 不自然な加工をしていないか
- 違和感や欠点が目につかないか
小さい子ほど人気の傾向に合わせて、子犬を栄養失調にして成長を止めている場合もある。極端に華奢な子は要注意だ。
3.過去の販売件数と口コミ数を確認する
ここで確認する点は『評価』ではない。販売の頻度である。
犬種や環境・設備によって取り扱える犬の数が異なるため、平均値を出すことは出来ない。
しかし、個人経営で犬舎兼住居の戸建てなどであれば、病院・運動・シニア犬のケア・戻ってきてしまった犬の対応などを考えると100・200匹は物理的に不可能だ。
本来出産は年に数回である。したがって、口コミの投稿数は必然的に時間が空く。
これが毎月のように販売されているブリーダーは犬達に目が届いているのか?といった疑問に繋がる。
口コミ数や販売数が多い=優良ブリーダーの定義ではないと考えてよい。
ブリーダーとのやり取りは人間性と信頼度を測る

人なので、互いの違いはあるものの『人間性』は非常に重要なチェックポイントになる。どんなに表面を取り繕っても、言葉遣いが雑だったり、ブリーダーにとって嫌な点を突かれた時に態度が豹変するなど。
どこかでボロが出ることもあるから、些細なことにも目を光らせよう。
犬を飼うということは『命を買う』ということ。非常に重たいやり取りを、あなたはブリーダーと交わすのだ。小さな違和感は見逃さず、『この人なら信頼できる』と思うまでは契約しない。
問い合わせには的確な回答をしてくれるか。トーク力に惑わされないよう注意していきたい。
1.犬舎は見学できそうか
2019年に動物愛護法が改正された際、登録した事務所以外での販売が不可能になった。
第一種動物取扱業者のうち犬、猫その他の環境省令で定める動物の販売を業として営む者は、当該動物を販売する場合には、あらかじめ、当該動物を購入しようとする者(第一種動物取扱業者を除く。)に対し、その事業所において、当該販売に係る動物の現在の状態を直接見せるとともに、対面(対面によることが困難な場合として環境省令で定める場合には、対面に相当する方法として環境省令で定めるものを含む。)により書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を用いて当該動物の飼養又は保管の方法、生年月日、当該動物に係る繁殖を行つた者の氏名その他の適正な飼養又は保管のために必要な情報として環境省令で定めるものを提供しなければならない。
環境省・動物愛護管理法より
それでも犬舎を見せたくないブリーダーは、何かと理由を付けて外で見学をさせる場合もあるという。『遠方でもお見せしに行きます!』このようなブリーダーもいる。
法律的に購入前に子犬を見せなくてはいけないルールに従ってのことだろうが、子犬に負担になるのは明らかだ。遠方までの出張販売は、人間都合であり犬のことを考えると可哀想になる。
法律に従うだけでなく、子犬の負担も考えて犬舎での対面が一番。犬舎を見学できないブリーダーは候補から外そう。
2.親犬に会わせてもらえるか
問い合わせの段階で親犬と会えるかを確認してほしい。
父犬に関しては外交配されているところもあるため、在舎していないことも。その場合は情報(写真や血統書など)だけでも確認を。血統書の詐称があることもあるので注意する。
ブリーダーによっては母犬の育児疲れを考慮したり、病気予防の観点から正当な理由で断る場合もある。
これが納得できる理由なら深追いしなくても良いが、母犬の大きさを見ればどれくらい成長しそうか判断基準になる他、性格など『将来の子犬の姿』を想像する上でも見ておいて損はない。
問い合わせの時点で親犬の体重を言われても殆ど当てはまらないし、『小さく収まる』と言った言葉は鵜呑みにしてはいけない。判断は実際に親犬もしくは親戚犬を見るのが一番だ。
3.金の話や契約を急かしてこないか
問い合わせの段階で購入予約を急かしてくるブリーダーは要注意。
絶対に子犬を見るまで予約をしてはいけない。
『他にも声がかかってます』『明日には業者が取りに来ます』『親はチャンピオン犬ですぐにでも売れちゃいます』など。焦らせたり、今すぐ購入させようとするブリーダーは怪しい。
4.(環境の確認をしてくるか)
犬の幸せを考えているブリーダーであれば、子犬が生活していく環境が適しているか必ず確認をしてくる。
(これはメール連絡ではなく直接会った時に聞くブリーダーもいる。問い合わせ時に聞かれなかったからと言って、すぐさま判断を下さなくとも良いが、会った時に聞かれるかチェックしよう。)
- 住まいの確認(ペット可か)
- 家族全員が同意しているか
- アレルギー持ちはいないか
- 留守の時間帯
- 飼育経験の有無
- 先住ペットはいるか
これはあくまで一例。こういった内容をブリーダー側から確認してこなければ、いささか不安が残る。
見学時は情報の宝庫!ブリーダーを見極めるつのポイント

サイト・事前連絡で十分信頼できると思ったら、実際にブリーダーへ子犬の見学予約を取り付けよう。
『百聞は一見に如かず』と言うことわざがあるように、文章でのやり取りを続けるよりも実際に目で見れば、情報がダイレクトに伝わってくる。
ここではブリーダーの対応だけでなく犬たちの様子にも、くまなく目を光らせよう。
1.訪問前に犬舎周辺をチェックする
見学先の犬舎に到着したら、すぐに連絡は入れず『犬舎周辺』もチェックしたい。
- 庭などの裏の敷地は不自然な点はないか
- 健康状態の悪い犬が野放しにされていないか
- なにか隠している形跡はないか
あくまでも自然に。不審者扱いされないように注意しながら確認をした後にブリーダーへ連絡を入れよう。
2.業者登録番号の提示を依頼する
2006年より、ブリーダー業を行う際には動物取扱業登録が義務付けられている。
子犬販売サイトでは業者登録していないと販売出来ない仕組みだが、掲示板やSNSなどで販売を呼び掛けている場合は『無登録業者』が潜り込んでいる場合もあるので要注意。
見学の際は、業者登録番号の現物を必ず見せてもらう様に。
写真が加工されていたり、現物と違うこともあるからだ。サイト上での登録番号と一致しているかもチェックポイントとし、見学の際は見落とさないようにしたい。
3.衛生状態など環境は問題ないか
犬を多く飼えばそれだけ臭いがでるのも仕方ない。
とはいえ、鼻をつまみたくなるような悪臭や犬達が汚れていたり不自然に思う点があったら、
自分の勘を信じて欲しい
こういった点は頭で考えるよりも勘が冴える。不信感を抱くようなら、それが自分からのサインであると考えよう。気になる点を見つけたら、自分が納得するまでブリーダーを信頼しないようにする。
3.子犬は触らせてくれるか
子犬は目の前で見るだけでなく、実際に触らせてもらおう。実際に触ってみないと分からないことが沢山あるからだ。
耳、目、噛み合わせ、太り具合、皮膚の状態、関節、お尻まわり、頭のペコ、デベソ、鼠蹊ヘルニアなど…確認したい点はたくさんあるが、確認はさりげなく行おう。露骨なチェックを嫌がるブリーダーもいるためだ。
ブリーダーと一緒に確認するのも◎。
気になるところは必ずブリーダーに質問しよう。欠点は悪いことではないが、欠点を隠すことは悪い。触ることを嫌がったり欠点を隠すブリーダーは信用できない。
4.親犬や犬達の様子はどうか
犬舎を見せて貰えなかった場合、臭いや衛生状態の判断が出来ないこともあるだろう。
そんな時の判断基準は一番に『親犬』の状態を見ること。極端に痩せていたり、毛艶が悪いなど明らかにケアされていない場合は衛生状態が悪い可能性がある。
また、そこで生活している犬達の表情が明るく生き生きしているか。愛嬌や人間不信に陥っていないかも判断基準になる。

5.疑問や不安に対しての対応はどうか
犬舎や子犬の様子よりも大切なポイントが『疑問や不安に対しての対応』だ。曖昧に返されたり、いいことしか言わないブリーダーは契約を見送ろう。
中には次々犬を出してきたり、購入を促すブリーダーもいるがこれらも要注意だ。どんなに可愛くても相性があるし、最後に決めるのは飼い主である。ブリーダーの意見に左右されないように。
犬を探す時は妥協して欲しくない。この子でいいじゃなく、この子がいいと思える子に出会えるまで諦めて欲しくない。だって付き合えば十数年ですから。By:荒木麻子
荒木さんの考えが全てではないが、この言葉が胸に響いたので紹介しておく。
不安や違和感が残る場合は一旦帰るのも手だ。冷静に良く考えてから結論を出す。ブリーダーの圧に押されないようにしたい。
飼い主側の責任を考えるー現役ブリーダーからのお願い

ここまで悪質・優良ブリーダーの見極め方ついて説明をしてきたが、販売者には販売者の責任があり、購入者には購入者の責任がある。
ここからは、現役ブリーダー荒木麻子さんの気持ちも含めて、飼い主側にお願いしたいことをまとめていく。悪質ブリーダーから子犬を飼わないようにするためには、あなた自身も努力が必要だということをお伝えしたい。
ブリーダー任せは厳禁。飼い主側の責任として犬を”学ぶ”
家族に迎え入れたい犬種があるなら、その犬種のルーツを学ぼう。1冊でもいい。必ず本を読み、犬の性格を知ることで飼育のシュミレーションに繋がるからだ。
飼ってみたら違った…
を防ぐためでもあるし、知識がなければ子犬を見学しに行っても質問ができないから。知らないことは疑問すら浮かばないのが人間である。
分かってほしい。犬を学ぶ重要性
犬を本で学ぶ理由の1つに『犬は犬であって人間ではない=全て思い通りにいかない』ことを知って欲しい気持ちもある。
特に今まで犬を飼っていない方は注意。知識を入れずに犬を飼うとギャップが生じてしまう。可愛くて仕方ないはずの犬が、いなくなってほしいと願う原因にもなりかねない。
そのために、犬を飼う前に知識を入れる必要がある。購入前のシュミレーションは必須であり、学ぶことは飼い主側の責任と思ってほしい。
犬と人間の立場は対等ではない。しかし、命は平等だ。
種類の違う生き物が同じ空間で生活をする。ましては人間が主体になるから、犬は人間に合わせないといけないことが山ほどある。
犬は犬らしくいることが幸せで、人間と同じように扱うことが犬にとって幸せとは限らない。
本来犬は吠えるもので、決まったトイレもなければハウスも繁殖の制限もない。これらは人間が決めた『犬へのルール』だ。
犬は人間と生活をするために既にいろいろなことを我慢しがなら生きている。
飼いやすい”犬”というのは存在しないし、マニュアル通りにいかないのも生き物だから『仕方がない』。
同じ人間の子供だって言い聞かせが難しいのに、異種の生き物である犬へのしつけが容易なはずがない。
―――理解した上で迎え入れないとトラブルの原因になる。犬を飼うことを簡単に考えずに『命と向き合う覚悟』が出来た時に飼う決意をしてほしい。
問い合わせの際は礼儀も大切に
お客様は神様だとしても、必要最低限の礼儀は大切にしたい。
あなたがブリーダーだとして『写真下さい』と一言だけ送ってくるメッセージと、挨拶文・住所・名前・この子犬が気にいった理由など簡単にでも情報を入れてメッセージをしてくる人ならどちらに好感を持つだろう?
ブリーダーもあなたと同じ人間だ。印象のよい人に良くしてあげたいと思うのは普通である。
本来、ブリーダーは迎えた子犬の最後を迎えるまでのパートナーになる存在。本当に犬を大切にしているブリーダーであれば、産ませた側の責任として最後まで付き合ってくれるだろう。
どれだけブリーダーに『親身になってあげよう』と思わせるかは、あなたの態度も重要になる。だからこそ、問い合わせ時は礼儀を意識して連絡をしよう。
ブリーダーを見極めることは”あなた自身の幸せ”にも繋がる

今回現役ブリーダー監修の下、悪質ブリーダーと優良ブリーダーの見極め方を紹介した。この2種類のブリーダーが育てた子犬に違いがあることも伝わっただろうか。
犬を飼うと決めたら1冊以上飼いたい犬種の本を読もう。その後にブリーダー探しをすること。そして、ブリーダーは『信頼できる人』と出会うまで妥協をしない。
犬のいる生活は楽しく幸せも多いが、苦労もある。
一度犬を飼えば十年近くは共にするパートナーになる。
だからこそ、安易な気持ちで子犬選びはしない。それが良いブリーダーと子犬に出会う方法だ。

ブリーダー 荒木麻子(あらきあさこ)
1991年 西日本訓練士学校入学
5年間修行し、結婚を機に退職。
2010年HappyDogGardenの犬舎号で、チワワ、シーズーの繁殖を始める。
2015年シーズー専門の繁殖に切り替える。スタンダードを重視し、ドッグショーに参加するなどして質の高い、健康で誰からも愛されるシーズーを育成する事を目指しています。
資格:JKC公認訓練士・ドッグライフカウンセラー
動物取扱業登録番号:大阪府登録第 1974-1号
犬舎所在地:大阪府摂津市鳥飼西1丁目
荒木麻子さんは、シーズー専門の繁殖を行っており、引退した犬にも深い愛情を注いでいる。『元繁殖犬』が『可哀想な命』と思われないようにブリーダーのあり方を考えたいという。
大阪在住でシーズーを希望している場合は、一度荒木さんに問い合わせをしてみると良いだろう。親犬・子犬共に大切に育てられた犬達は皆社交性が高く愛嬌も良い。

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